[WBC]なぜ山本監督はダブルスチールを選択したのか?

WBCの敗退は残念だった。何より、後味が悪い感じになってしまった。
詳しくはここの記事に書かれているし、概ね、僕もこの意見に同感。
足で勝って、足で負けた侍ジャパン。あの8回裏の重盗シーン、全真相。(1/4) – Number Web : ナンバー 足で勝って、足で負けた侍ジャパン。あの8回裏の重盗シーン、全真相。(1/4) - Number Web : ナンバー

しかし、最も批判されるべきは、あそこでダブルスチールを選択した山本監督だということを書いておきたい。

なぜスチールでなければダメなのか?

野球をよく観る人や、野球をやっていた人なら分かると思うが、そもそも盗塁というのはもともと成功確率は高くない。

例えば、今回と同じようなケース。短期決戦の終盤ビハインドでの攻撃中にダブルスチールをしかけるケースをみたことがあるだろうか?
僕はほとんど記憶にない。

マネーボールをご存知だろうか。
ブラッド・ピットが主演し、映画にもなった野球の話。今まで見過ごされていたような細かいデータを集計して、お金がなくても勝てる球団をつくる方法が書かれている。


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詳しくは本を読んでもらいたいが、このチームが勝つために使わなくなった代表的な作戦が2つある。

  1. 送りバント
  2. スチール

送りバントは、1つのアウトを献上して塁を1つ進めるのは効率が悪いらしい。またスチールも同じ。成功確率を考えると、スチールをすることで、逆に点が入る確率が下がるということだった。

もちろん選手によっては、当てはまらないケースがあるかもしれないが、チームの基本方針はこれを徹底したらしい。

さらに山本監督には悪いニュース。

プエルトリコの捕手ヤディア・モリーナは2008年シーズンから5年連続でNLゴールドグラブ賞を受賞しているMLB屈指の捕手。
昨年の盗塁阻止率は約48%。誰がこのモリーナに挑んだかは知らないが、足の遅い選手はわざわざ走らないだろう。その中で約半分は刺されている。

これくらいの話は誰でも知っているはず。
それでもダブルスチールを選んだ理由は一体なんだったのか?

走塁のウマイ井端のイメージと鳥谷の幻影

恐らく、日本のチームのみならず、観ていた人も「確証バイアス」が悪さをしていたのかもしれない。
確証バイアスは、自分の思い込みを支持するような情報ばかり集めてしまうことで、今回の井端に代走を出さなかったことを考えても、このバイアスが罹っていた可能性が高い。

井端は野球を良く知っていて、抜け目のない走塁ができる選手であることに間違いはない。実際、1軍で14年のシーズンを過ごし、146盗塁を記録している。
残念ながらこの数字を見ても違和感を感じるだろう。

14年で146盗塁しかしていないのだ。年平均はわずかに10個。
さらに悪いデータがある。2011年は3盗塁、2012年も4盗塁しかしていない。チーム事情もあるだろうが、これは明らかに少ない。
内川だって昨年は6盗塁を記録している。

こうしたデータを見ても、あの場面でダブルスチールを選択するだろうか?
井端の力を過信しすぎたのではないだろうか?

さらに追い打ちをかけるように、記憶から蘇ってくるのが、台湾戦の起死回生の逆転劇。
その引き金が鳥谷の盗塁だった。

日本代表はまだこのイメージを引きずっていたのでは無いか?残念ながら、相手の捕手は超一流の捕手だ。
もし相手のキャッチャーが全盛期の古田敦也(元ヤクルトキャッチャー)だったら、同じ選択をしたとは思えない。
明らかに、山本監督はモリーナの力量を見誤ったとしか思えない。

山本監督の采配ミス

他にも送りバント、エンドラン、本多を代走にだしてスチール。
もっとやり方があったはず。

あそこであんなリスクの高い采配は必要なかった。せめて「行けたら、行け!」では無く、バッテリーの配球も予測し、全責任をベンチが負う覚悟で、ピンポイントで「ここで走れ!」というスチールのサインをだすべきだった。

あれは内川は責められない。走塁ミスでもなんでもないのは動画を見れば分かる。

井端の静止を確認してストップしても、内川だってすぐには止まれない。以下の動画の54秒付近を見て欲しい。井端がスタート止めたのを完全に確認してから止まろうとしたら、やはり1・2塁間の中間点くらいまでは進んでしまっている。

止まっても刺されている。せめて井端の単独というサインならこうはならなかったはず。
中途半端なサインがこの結果を招いた。

最後の記者会見で「後悔は無い」ではなく、「全責任はサインをだした私にある。井端、内川の両選手は一切悪くない」くらいは言って欲しかった。

試合に負けたのは仕方がない。
だが、今大会で最も活躍した選手2人がこんな想いをすることになったのが残念でしょうがない。


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2 Responses to “[WBC]なぜ山本監督はダブルスチールを選択したのか?”

  1. ま。 より:

    問題の核心をついた見事な評論です。

    特に、最後の
    >「全責任はサインをだした私にある。井端、内川の両選手
    >は一切悪くない」くらいは言って欲しかった。

    >今大会で最も活躍した選手2人がこんな想いをする
    >ことになったのが残念でしょうがない。

    には全くをもって同感です。なんともえいない悪い後味が・・・

    • 管理人 より:

      ま。様

      ありがとうございます。
      あまりにも・・・という思いから文章にしてしまいました。

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